クロダイをエサ釣りで狙う

チヌ

クロダイはいわずと知れたスーパースターですね。ファンの数ならかの有名なにしきのあきら氏をも軽く凌駕するほどらしいです。

こやつを釣るためにそれぞれの地域で様々な釣法が開発されてきました。防波堤はもちろん磯やイカダ、船などいろいろなところで釣る事ができます。
一筋縄ではいかない釣り難しさ、引き味、大物を釣り上げた時の喜びが釣り人を魅了してやみません。

私もクロダイ釣りにとりつかれたひとりです。高速を2,3時間も飛ばして釣り場に行ったり、泊りがけで遠征したりすることもよくあります。
他の事に対してこんなに一生懸命になることはないんですけどね・・・。まったく「恋は盲目」とはよく言ったものです。

クロダイはその精悍な顔つきや尖った背びれ、そして渋い銀鱗などもかっこいいですよね。孤高の流れ者、高倉健さんみたいなイメージです。対してメジナは梅宮さんかな。(体型の問題か)

さて、チンタと呼ばれる低学年クラスを釣るのはそれほど難しくはありませんが、どれぐらいの大きさまでをチンタと呼ぶかは人それぞれ分かれるところです。
ある筋の人は、40cm以下はクロダイとは呼ばないそうなんです。

「子供に用はない」って感じでしょうか。

私は優しいので子供にも用はありますね。というか、

「子供でもいいから相手してくれ~」なんて思っているのは内緒です。

私の感覚ですと、クロダイは堤防の際や根の周りなど近い所によくいると感じるんですが、なんでこんなところにいるの?っていう何も無いようなところでも釣れたりしますし、25cmクラスまでですとしばしば五目狙いのちょい投げでも食ってきます。

それでもやはり障害物周りを攻めるのがセオリーかと思いますね。

ぶっこみで狙う

ジャムシ

ぶっこみでクロダイを釣るならハリスは1.5~2号を長く、1mほどとります。自然に近い感じでエサを漂わせるためです。朝まずめ、夕まずめから夜にかけてが狙い目ですね。
そして針ですが、私がよく使うのはチヌ針の1~2号です。やや小さめのものが好みです。

仕掛けは遠くには投げず、ほとんど足元です。テトラの切れ目や防波堤の際あたりに仕掛けを入れます。 また比重の重いチヌ用の寄せエサをダンゴにして放り込んだりもしますが、そんなものなしでも来る時は来ます。

クロダイはスイカやコーン、さなぎなど海にないものだろうがなんでも食べてしまう悪食家ですが、ぶっこみでは虫エサを使います。

私は地元で「ジャムシ」と呼ばれているものを主に使います。(全国的にマムシ、イワムシと呼ばれているものと同じだと思います)
アオイソメより大きく臭いもきついのが特徴です。やや垂らしを長めにしましょう。

その他のエサとしまして、「ユムシ」、「さなぎ」などがありますが、コマセを打たないときついかもしれませんね。

でも、これらはもしアタリが来たら激アツです。なぜなら、本命、大物の可能性特大だからです。高鳴る鼓動を抑えながらしっかり食い込ませましょう。

その代わり、待てど暮らせど穂先がピクリともしないことがかなりあります。ピクリとすることがあまりにも少ないため私は使わなくなりました。

虫エサをおすすめする理由

虫エサはカニやオキアミなどに比べて、食い込む前にある程度前アタリのあることが多いので初心者の人も合わせやすいと思います。

コツンコツンといった前アタリを辛抱して穂先を少し送り込み、そしてグーっと穂先を持っていったら合わせましょう。しかし、いくらうれしいからといって後ろにひっくり返りそうになるような大きな合わせはいりません。小さく鋭く合わせましょう。

もしコツンコツンで終わってしまった時は居食いしている可能性があります。そぉ~と聞いてみましょう。食っていれば魚が走り出しますよ。
また、近くをまだウロウロしてることも考えられますから、もう少しだけ様子を見てみるのもいいかもしれません。

仕掛けを上げてみてエサがなくなっていたら魚の勝ち、針までなくなっていたらフグの仕業です。

前打ち・落とし込みで狙う

文字通り、前打ちは前方に、落とし込みは堤防沿いギリギリに仕掛けを入れます。これらの釣り方をする場合は専用のタックルを使ったほうが勝手がよいですね。

主にUガイド仕様の竿とヘチリールを使います。前打ちなら4.5~6.3m、落とし込みなら2.7~3.6mぐらいの竿が使いやすいでしょうか。ポイントまでの距離や堤防の高さに合わせて選びます。

仕掛けは超シンプルです。道糸とハリスをチチワでつなぎ、針の上部1~3cmあたりにガン玉をかますだけです。かにエサを使う場合は針に直接ガン玉をかます場合もあります。

道糸は1.5号か2号、蛍光オレンジを使ってます。いろいろ専用のラインが出てますのでお好みで見やすいものを選んだらよいでしょう。

また落とし込み専用目印というのもあります。仕掛けが沈んでいく途中のアタリを目印が教えてくれる優れものですが、なんだかゴチャゴチャと邪魔くさいというかうっとおしいというか、そんな風に感じるため私は使っていません。

でもこれは人それぞれだと思いますので落とし込みを始めようという人はまず目印付きでやってみるのもよいと思います。

ハリスは1~1.5号をよく使います。長さを60~80cmぐらい適当にとります。根ずれがある場所では怖いですが、どうも太いハリスは食いが渋いように感じるんですよね。気のせいかもしれませんが・・・

それに根ずれしたら2号でも切れてしまいますので、これぐらいのハリスを使ってます。

ただ浜名湖の舞坂堤でテトラの隙間にエサを流し込む時は、4号とか5号という極太仕掛けでやりますので、ポイントによりけりといったところでしょうね。

持ち運びに便利なコンパクトな仕舞寸法、ヘチ釣り・落し込み釣りまでカバーするレングスは波止場をランガンするスタイルにも最適。

エサは釣り場にいるカニが強い

かに

エサは時期や場所によって変わってくると思います。カニやイガイを使うことが多いですがエサ取りの少ない時はオキアミも使います。

アタリはエサによっても違いますが、ひったくっていくような大きなアタリはあまり多くはありません。
「ムンズッ」とか「フニャ」とか言葉で言い表すのが難しいアタリも結構あります。

とにかく違和感があったら聞いてみるのがよいでしょう。糸を張り気味にすると判りやすいかもしれません。
また時期や場所によるエサの相性などデータを集めて、どんどん経験値を上げていきましょう。

そしてあとはひたすら探る、歩いて攻めまくることです。実践と研究ですね。最初のうちはいくらがんばっても食ってくれなかったりします。

周りではけっこう上がっているのに自分だけ釣れない・・・
すぐ前を探っているお兄さんとすぐ後ろのおっさんがWヒット!

など悔しい思いをすることもありますが、めげずにやっているといつの間にかコツをつかんで釣れるようになっています。

気負っても急に上手くなったりはしないので、焦らずにまず1枚釣りましょう。その1枚はサイズがどうであれ何かのきっかけになること間違いなしです^^

左右兼用のマシンカット黒鯛専用モデル。■糸巻量:3号-100M ■自重:107g

危険な場所は避けよう

ぎゃー

テトラに乗って前打ちをする場合は十分な体勢で勝負できる場所が望ましいです。不安定な体勢ですと大きいやつが来るとふんばりがきかずすぐのされてしまいますし、何かの拍子にバランスを崩したりした時も大変危険です。

「あっ!」と思って手を着こうと思った瞬間、そこにテトラがもし無かったら・・・
そう考えるととても怖いですね。

たまに、「どうやって渡ったんだろう」とか「どうやって戻るんだろう」ってな所で釣ってる人を見かけますが、あれも同じ理由で危険です。
できるだけ魚に近づきたい気持ちはよーく分かりますが、そんな波をひっかぶるような危ない所じゃなくてもクロダイは釣れますから。

タモ入れ

タモ入れ

高さのある防波堤から取り込む場合は「落としだも」という紐のついたタモを使うと楽です。柄のついたタモに比べるとやや使いづらいですが、慣れればそれほど苦にはなりません。

そしてタモ入れは、魚に頭から入ってもらうのがコツです。
追いかけてはいけません。追いかけると逃げてしまうのは魚も人間も同じようです。

一人でタモ入れするのは結構難しいので、他の場所で前もってタイミングや感触を練習しておくとよいと思いますよ。

習うより慣れろ

一番最初は、竿やリール、その他の道具の扱いはもちろんですが、釣り自体に慣れることが大切だと思うんですね。

ぶっこみ釣りは、「投げる」「アタリをとる」「合わせる」「引きを体感する」「取り込む」など釣りの基礎となるものが詰まっていると思うのです。
釣りは知識で武装してもうまくいきません。(最低限の知識は必要ですが)

雑誌やネットで様々な情報を入手し、高級釣具や凝った仕掛けを持って釣り場に行っても、型落ちの竿、出来合いの道具しか持っていない地元の釣り少年には勝てないと思います。
また一連の動作もスムーズさに欠けるでしょう。

なのでまずは、釣行を重ねて経験を増やし、釣り用の体を作る事が 細かい知識を集めるより重要になってくるのではないかと思います。

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