探り釣りで狙う

ここでは主に根周りで釣れる魚を紹介していきたいと思います。

根周りはエサとなる小動物が多く、また魚の住処になることも多いので好ポイントのひとつにあげることができます。
そこを「おーい、魚どんいるか~い」ってな具合に訪ねていく釣りを、ここでは探り釣りと呼んでいます。

探り釣りのよいところはエサを持って直接家庭訪問する訳ですから、在宅ならかなりの確率で食ってくれるところですね。よほどご機嫌斜めでもない限り居留守は使われないと思います。

逆に言うと、食ってこない場合は魚がいないということなので、アタリがないなら他をどんどん当たっていけばよいでしょう。「足で釣る」と言ってもいいかもしれませんね。
また、根魚の多くはその風貌に似合わずおいしい魚が多いのもよいです。

よくないところとしては、根がかりが多くなるところでしょうか。これは仕方ありません。探り釣りの泣き所です。針のスペアを多く持っていって対処しましょう。
魚の少ない冬場は、私はもっぱら根魚の探り釣りで楽しむことが多いですね。

ベラ

キュウセン

毒々しい色とびっくりしたスネ夫みたいな顔が特徴のベラです。釣りの対象になるのは主に「キュウセン」と呼ばれる種類のものです

赤やら緑やらって体色を見ますと毒でも持ってるんじゃないかと思ってしまいますが、なかなかどうして、しっかりした白身で非常においしい魚です。私は煮付けか刺身にしますね。
しかも結構いい引きをしますので楽しいです。

ちなみにキュウセンは若いときはメスばかりで、その後オスに性転換する魚です。ですから大きなものはほとんどがオスということになります。クロダイの逆バージョンですね。また夜は砂の中にもぐって眠るという変わった習性も持っています。

キュウセンは岩礁帯や障害物周りの砂地に住んでいますので、そこらあたりを探ることになります。ですが、あまりタイトに攻める必要はないと思いますね。結構ウロウロ泳ぎ回るようです。

流されない程度のオモリに流線針。
エサはアオイソメなどの虫エサがよいでしょう。

シーズンは春から秋までですが、秋のほうが型が揃います。

アイナメ

アイナメ

根魚の代表格ですね。ゴツンゴツンというアタリが楽しく、大きなものになると引きも強いです。もちろん食べてもおいしいというありがたい魚です。

40cmぐらいの大物を特別に「ポン級」と呼んだりもしますが、なかなかいないですね。もし釣ったなら写真に撮るなどして友達に自慢してしまいましょう。

その姿かたちを見ればわかりますがアイナメはホッケの親戚です。ホッケ同様冷たい水を好みますので水温の下がる冬場がシーズンになります。

岩礁帯が主な住処ですが、テトラ付近、捨石周り、藻場など障害物があればポイントになります。ここらを丁寧に探っていくわけですが、根の真ん中に仕掛けを入れても根がかりするだけなので、その際を狙うのがコツです。

アイナメの仕掛け その1(ちょい投げ)

  • 中通しオモリ(竿の硬さ、流れの強さに合わせます。少し軽めがよいです)
  • ハリス  1号~2号  10cm程度
  • 針  流線、丸セイゴ

ちょい投げして沖目から少しづつ誘いながら足元近くまで探ります。投げる度に根がかりしてしまうようなら、以下のことを試してみましょう。

  • まずは誘わずじっくり待ってみる。(誘う時は仕掛けが根を飛び越えるイメージ、大きなアクションで誘います)
  • オモリを少し重くする。
  • 投げるポイントをずらしてみる。
  • 堤防の際を上下に誘いながら移動していくのもよいです。

アイナメの仕掛け その2(セミフカセ)

道糸とハリスをチチワなどでつないだら、3B~5Bぐらいのやや大きめのガン玉を針の上3~5cmぐらいの場所にかまします。まるでクロダイの落とし込み釣りのような感じになりますね。

道糸をあまりたるませないようにするとアタリがより明確に出ます。オモリが着底したらふわっと浮かす、もう一度底をとる、この繰り返しが効果的です。
流れのきつくない防波堤などでこの釣り方をします。

ちなみにアイナメ専用仕掛けでブラクリというものがありますが、個人的にはブラクリをわざわざ買わなくても通しオモリに短いハリスをつければ一緒じゃないかと思っています。

赤い塗料のせいか値段も安くないですし、そこに居ればどちらでも食ってくると思いますしね。

エサは虫エサならなんでもよいですね。アオイソメでもよいですし、マムシなどならさらに食いがよいように感じます。モエビもかなりよさそうです。

小さな穴にも出し入れしやすい、菱形オモリで奥まで進入。

カサゴ

カサゴ

カサゴはありがたいことに一年中釣れますが、対象魚の少なくなる冬場に重宝する魚です。

こいつのよいところはなんといってもそのおいしさでしょうね。刺身でも煮付けでもなんでも来いです。 結構顔がでかいので、意外に食べるところが少なかったりもしますが。。

住処は磯、岩礁帯、テトラ周りなどの障害物です。アイナメとよく似てますね。釣り方もアイナメとほとんど一緒ですが、テトラの間に仕掛けを落とす釣り方もあります。

穴釣りと呼ばれますが、専用の短い竿があるのでそれを使います。バスロッドなどでもいけるでしょう。穴を攻める場合はとりあえず短い竿でないと使い勝手が悪くなります。

中通しオモリにハリス1.5号10cmぐらいです。
針は流線、チヌ針、丸セイゴなど。口がでかいのでなんでもよさそうです。
エサは虫エサでもよいですし、魚やイカの切り身でもよいです。

カサゴはエサが落ちてくれば反射的に食ってくる魚ですので、しばらく待ってみて反応が無ければ不在の可能性が高いです。さっさと他の穴を攻めましょう。
また魚にとっても居心地のよい場所というのがあるようで、一度釣れた穴にはすぐ別のカサゴがつくので場所を覚えておくのも手ですね。

ハオコゼ

ハオコゼ

それほど流れのきつくない防波堤や根周りで釣れてくる事が多いですね。いかにも危なそうな背びれを逆立てて上がってきますが、実際危険なので素手でつかむことだけは避けましょう。
もう釣りどころではないぐらいに痛むそうです。

こんな危ないやつですが顔を見れば目がパッチリしててかわいいもんです。なのでメゴチバサミなどでしっかり握って外した後は海に帰してやりましょう。
タオルでつかむのは背びれが引っかかって触ってしまいそうなので私はしません。

根魚を狙うときはどうしても根がかりが多くなりますので、仕掛けの予備を多めにして出陣しましょう。

手をよごさず、ケガのない様多目的に使用できる。