夜釣りで狙う

このページでは主に夜釣りのターゲットを紹介していきます。

夏場は昼間暑くて釣りどころじゃありませんよね。ばてて食欲がなくなります。でもそれは人間だけじゃなくて、魚も同じように元気がなくなるみたいなんです。

「チキショウ。こんなに暑くて飯なんか食ってられっかってんだ!」っていう江戸前の魚の声や
「あーだる。もうやってられへんわー。この暑いのどーにかしてー」なんていう上方の魚の声が聞こえてきそうです。

そんな時はひとつ夜釣りと洒落込んでみてはいかがでしょう。カンテラを持ってのんびり夕涼みがてらでいいんです。
と言っても、暗くなってから行ったのではよくありません。通いなれた釣り場でも夜になるとずいぶん雰囲気が変わるものですし、暗い中での釣りはなかなか難しいものでもあります。

明るいうちに釣り座を確保して、足場などの状況をつかんでおくことが大事です。あと、蚊の出る釣り場ならその対策もした方がよいですね。

それでは危険には十分注意して夜釣りに出かけてみましょう。昼間じっとしていた大物が会いにくるかもしれませんよ。

アナゴ

アナゴ

アナゴは夜行性の魚なので、狙うなら断然夜釣りが有利になります。夜なら足元にまで寄ってきますのでわりと簡単に釣れるうえに食べてもおいしいという魚です。
梅雨あたりから秋の終わりぐらいまでがシーズンになります。

オモリは竿に合わせればよくて、流されなければいいぐらいの感じです。
ハリスはやや短めで、15cmもいらないですね。針は流線です。
エサは虫エサならなんでもOK。イカやイワシの切り身なども使えます。

足元に落として2度3度オモリを弾ませるような誘いでもよいですし、ちょっと前方に投げて少しづつ誘いながら手前まで引っ張ってくるような釣り方でもよいです。仕掛けの途中、オモリの少し上あたりにギョギョライトをつけるのも効果的です。

大事なのは「アナゴさーん、ここに食べ物ありますよー」ってアピールすることですが、ずっと竿をしゃくりっぱなしにしてる必要はないです。
また、体に似合わず大きなアタリを出さないこともしばしばなので、違和感を感じたら軽く聞いてみましょう。

アナゴは釣り上げるとグネグネ絡まるし力も強いので、針を外せそうもなかったらハリスから切ってしまった方が楽です。ク-ラーに直接入れてもよいですが、アナゴに限らず魚のヌメリは結構厄介なのでビニール袋に入れるといいと思いますね。クーラーを洗うときに楽ですよ。

スズキ

スズキ

こちらも人気の高い魚ですね。「釣ってよし、食べてよし」なんですからうなづけます。
セイゴ→フッコ→スズキと大きくなるにつれて呼び名が変わる出世魚です。フッコを関西方面では「ハネ」、私の地元では「マダカ」と呼びます。

スズキを釣るには実績のある場所を、実績のある釣り方で攻めるのが一番です。回遊性の高い魚なので場所の情報は特に大切だと言えるでしょう。スズキが回ってこない釣り場で釣ろうとしても無理ですからね。

私の地方では夜の電気ウキが主流ですが、もちろんぶっこみにも食ってきます。夜釣りなら多少仕掛けをごつくしてもよいかもしれませんね。
ハリス2号から3号を長く1m以上とります。丸セイゴ、チヌ針にアオイソメをふさがけにしますが、大きく目立つ方がよいためです。

潮通しがよく、エサとなる小魚の集まる場所がポイントになります。なので、あまり沖目ではなく堤防際、橋げた付近など。
また夜、外灯がつく所でしたら、その光の外側などもよいでしょう。とにかくエサのいるところを攻めるわけです。

またスズキは動くものを反射的に食ってしまう習性があるようで、リールを巻いている途中で食ってきたり、ジェット天秤を追いかけてきたりすることもあります。ルアーで人気が高いのも分かりますね。

そして釣り上げたら、えらぶた、背びれのとげに注意しましょう。両方とも相当鋭いです。
特にえらぶたはセイゴクラスでも、サクっとナイフのように切れてしまいます。

メバル

メバル

漢字で「春告魚」とも書かれる魚です。その名の通り、春の初め頃から初夏あたりまでと秋口から初冬までが一般的なシーズンです。あまり水温の高くない時期がよいようです。

またメバルは目がよいので夜釣りの方が狙いやすいですね。風がなく凪いでいたらさらにチャンスです。

仕掛けはフカセで探るのがよいと思います。ハリスにガン玉をかませるだけです。ガン玉の大きさは流れの強さによって変えますが多少重めの方が釣りやすいかもしれません。
また穂先の硬い竿はあまり食い込みがよくないので注意が必要です。渓流竿や落とし込み用、前打ちの竿があればなおよいですね。

テトラや根周り、藻の周辺などがポイントです。上層から徐々に仕掛けを沈めていって棚を探りましょう。道糸を張り気味にするとアタリが分かりやすいです。
メバルのいるタナをいち早く察知してエサを届けてやることが釣果アップにつながるでしょう。

また誘いも重要です。竿を止めたり軽く仕掛けを持ち上げたりします。ちょっとしたアクションで大丈夫です。エサはエビがよく使われていますが、アオイソメでもじゅうぶんですね。

私の感覚としてメバル釣りはかなり難しい部類に入ると思います。探り方、食わせ方、アタリのとり方など経験がものをいう釣りだと思いますね。
でも、怯んではいけません。おいしい煮付けが待ってるんですから。

ゴンズイ・エイ

夜釣りの嫌われ魚No.1といえばゴンズイでしょうか。しましまのなまずみたいなやつです。こいつが釣れたらさっさとハリスを切って海に逃がしてやりましょう。
毒針を持ってるので刺されたら大変です。

しかも背びれは釘のように硬く突き出ていますので陸に放置するなんてとんでもない話です。
間違えてうっかりそいつの上に手や尻もちなんかついてしまった日には大惨事になるでしょう。自分だけでなく他の釣り人にも危険です。しかも完全に干からびるまでは毒針は生きてるという話もあります。

なので、夜何かが釣れた場合はすぐに触らずに確認しましょう。中途半端に下半身だけニョロニョロしていたらおそらく黄色い横しまが見えるはずなので、リリースしましょう。

あ、平べったくても細長い尻尾がある場合も逃がしましょう。たぶん「エイ」です。アカエイの尻尾にあるとげは相当危険ですので注意が必要です。
もっとも、ある程度の大きさになると釣り上げるのは至難の業になりますが・・・