ヒラメの釣れる時期は地域差あり
ヒラメは一年中釣れる魚だと言われていますが、特にサーフからの釣りですとよく釣れる時期とあまり釣れない時期がありますし、また地域によってもずいぶん変わってくるので注意が必要です。
例えば温暖な鹿児島県や高知県と北にある北海道では当然事情が違います。
もし鹿児島や高知の釣り人が
『1月2月の寒い時期でもヒラメは普通に釣れるよ』
と言っても、北海道の釣り人には当てはまりませんよね。
そんな訳で、自分のいく釣り場がどうなのかを釣具店などで聞いておくと確実だと思います。
シーズン開幕はゴールデンウィークあたり
さて、私は愛知県に住んでいますので、釣りの基準はやっぱり遠州灘サーフになります。
しかしひと口に遠州灘サーフと言っても、東は御前崎から西は伊良湖岬まで続いていますのでかなりの距離がありますし、その中でも静岡サーフと愛知サーフでは魚の数や種類に違いがあったりするんですよね。
まぁ放流の成果もあるでしょうし、水深や海流なども影響してるんでしょうけど、静岡の方が圧倒的に魚は多い気がします。
釣具店のヒラメダービーの結果なんかを見ても、やっぱり圧倒的に静岡の方が強いですから。
で、私のよく行く愛知県のサーフは、魚種を問わずまともに釣れ始めるのは例年ゴールデンウィーク過ぎあたりで、もっと確実に行くなら6月からですね。
その年によって水温の上がり具合なんかもありますから一概には言えないですけど、1月から4月いっぱいは魚の絶対数が少なすぎて釣れる気がしません。
春から夏にかけてのヒラメ
また、この5月6月から夏場にかけて釣れるヒラメはおそらく産卵後で、やつれた個体が多くなってきます。(ヒラメの産卵期は3~7月らしい)
なので薄く痩せててあまり美味しそうに見えない個体が釣れた場合は、そっとリリースしてやるのがよろしいんじゃないでしょうか。
ちなみに夏場のヒラメは「猫マタギ」と呼ばれるほど美味しくないと聞いたことがあるんですが、実際に食べてみたところ普通においしかったです。
舌の肥えたグルメにとっては違うのかもしれませんけど、ヒラメはいつ食べてもおいしいというのが私が出した結論です。
夏場はマゴチが旬
ただ、夏場になると大きなヒラメはみんな沖の深場に行ってしまうようで、釣れるヒラメはリリースサイズの小型が多くなってきます。
じゃあ夏場は何を釣るんだと言うと、まずマゴチが旬を迎えます。
「ゴンゴーン」という独特の引き味が楽しいんですよね。
マゴチも言わずと知れた高級魚で、クセのないプリプリの白身が非常においしい魚です。
刺身はもちろん、煮ても焼いても揚げても何をしてもおいしい万能選手。
しかもヒラメより数自体が多いようで釣りやすいのもありがたいところ。
底を意識しながらルアーを動かすのがマゴチ釣りのコツです。
超絶楽しい小型青物
そしてマゴチと並んで遠州灘の夏の風物詩となっているのが小型青物。
具体的には、だいたい25~45㎝ぐらいのブリやカンパチの幼魚です。
(私の地方では、ブリの幼魚をアブコ、カンパチの幼魚をショゴとかシオと呼んだりします)
ただし、小さいからと言って侮るなかれ。
さすがは青物と言わんばかりの強烈な引きを披露してくれます。
特に35cmを超える個体になりますと、非常に力が強く何回も突っ込んでドラグを出されたりしますし、波打ち際まで寄ってきてからまた1、2回突っ込んだりしてかなり楽しませてくれるんです。
一度釣ったら最後、おそらくあなたも中毒になるでしょう。
ショゴの刺身が絶品
また、小型青物は釣り味がいいだけでなく、食べても美味しいのがうれしいところ。
そりゃサイズが小さいだけでブリやカンパチですからね。
特にカンパチは魚の大きさによって味があまり変わらないようで、3、40㎝程度のショゴでも当然美味しいです。
またアブコに関しては好みが分かれるようで、脂のこってり乗った魚が好きな人は味気ないから嫌いと言いますし、その脂が臭くて苦手だと言う人はさっぱりしていて美味しいと言います。
ちなみに私は後者です。
ハイシーズンは10月ぐらいから12月いっぱいまで
マゴチや小型青物はだいたい10月ごろまで遊んでくれますが、入れ替わるようにようやくヒラメ、シーバス、そして大型青物のハイシーズンがやってきます。
ヒラメ
まずヒラメですが、産卵後に落ちた体力を回復すべく餌をたくさん食べた結果、身に厚みが増して美味しくなってくるのがこの頃で、水温の低下とともに岸に寄った小魚を追いかけてヒラメも接岸します。
数・型ともに期待でき、一年の中で最もヒラメを釣りやすいのがこの10月から12月の間。
当然ライバルたちも同じことを考えますので大挙して浜に押し寄せますが、負けずに頑張って釣りましょう。
シーバス
同じく接岸した小魚を追いかけてくるのがシーバス。
でっぷりと太ったランカーサイズが冬籠り前の荒食いをするのがちょうど11月からひと月ぐらいでしょうか。
いい時に当たればそれこそ入れ食いになりますし、小魚が寄って曇ったり波立ったりしていれば真昼間でもガンガン喰ってきますよ。
青物ほどではないですけど引きは強いですし、食べても美味しい。
是非とも釣りたい魚ですね。
ちなみにこういう時のシーバスは、俗に言う何を投げても釣れるクレイジーな状態になってるので、特にルアーの種類やカラーは関係ないと思います。
ブリ・ワラサ
最後に青物です。
この頃になると、どこどこでブリ・ワラササイズが回ってきてお祭りになったという話が出始め、青物ファンは居ても立ってもいられなくなります。
そして一度そんな情報が拡散したら最後、、ブリやワラサがあがった浜では平日の暗いうちからでも場所取りが始まってしまいます。
釣りたい人は早起きが必須事項です。
ブリを狙うならごついタックルで
さて、青物の強烈なファイトを味わえるチャンスでもあるのですが、タックルは少し強めにしなければならないでしょう。
と言うのは、オマツリ防止のためです。
普通のヒラメタックルでも、もし浜に誰もいなければ、ドラグを出しながらのんびり時間をかけて取り込むことはできるでしょうが、両隣りに釣り人がいたりしたらそうはいきません。
つまり、強い竿とリール、太めのラインでゴリゴリと強引に寄せてしまった方がトラブルになりにくいという訳ですね。
隣人がまっとうな人である保証はありませんから、できる事はやっておいた方がよいです。
1月からはシーズンオフ
遠州灘、特に愛知のサーフでは年が明けると一気に釣果が落ち、それにともなって釣り人の数も一気に少なくなります。
ただし、反応はごく少ないけどもし来たら大物間違いなしという時期でもあります。
と言うのも、低水温に耐えられない小さな個体は水温の安定している沖に落ちていってしまうからです。
なので、一発場外ホームランをかっ飛ばしたい方は、あえてこの時期に行くのもありだと思いますよ。
ただし、釣れる気が全くしない中で竿を振り続ける気力と体力があればの話ですが…